最近のお仏壇事情

　当社は、文化元年に創業し200年余りを経た仏壇の製造・小売りの店舗ですが、お仏壇を買い求められる方の動向が変わってきたように感じています。

　以前は、ご宗派をお尋ねすると大概の方がご自分の宗派をお答えになり宗派に合ったお仏壇を求め、お仏具も必要なものをお買い求めいただいておりました。

　最近は、よく解らない、無宗教だとお答えになり、近親者が亡くなられたりして初めて見に来たと言われる方が多くなっているように感じます。

　その様な方々は、後々大変だから出来るだけ簡単に小さいもので良いと言われます。

　でも、よくお話をお聞きすると田舎や親元にはお仏壇が有って、小さい頃はお仏壇にお参りしていたと懐かしそうにお話になります。

　私どもの神戸の店に女性の名物社員がいまして、よく解らないから簡単なお祀りで良いというお客様にも、お話をよく聞いて、ご名号やお題目からご宗派を一緒に調べたり、宗派に必要なお仏具とそのお荘厳（お祀り）の方法をちゃんとご説明して、結局最後には、簡単にと言っていたお客様も「やっぱり出来るならちゃんとお荘厳（祀り）したかった。」と言ってほっとされたような顔でお帰りになります。この女性社員曰く、説明しお薦めするのが私らの務めです。

　よく解らないから専門店にお越しになる・・私たちはこの当たり前のようなことをこの女性社員に教えられています。

　後の者に負担をかけたくない、だから簡単にという思いもあると思いますが、受け継いだものを正しく伝えていく、という事も必要かと思います。

　私たちは、出来る限りお話をよくお伺いして、其々の方に合うお仏壇とお仏具をお勧めしていきたいと思っています。

平成31年4月　　浜屋株式会社　神戸店店長　足立英明

https://www.hamaya.co.jp/