2019/05/16thu

用語集

還骨

還骨勤行

 「還骨」とは、火葬場から遺骨を持ち還るという意味です。持ち還った遺骨は、ご本尊の前に白木机または白布で覆った小机などを準備して据え置きます。「還骨勤行」は、このように整えた上で、ご本尊に対して執り行う勤行です。また、遺骨は、還骨勤行後に、中陰壇のご本尊前に安置します。火葬場での火屋勤行や収骨、自宅に戻ってからの還骨勤行のいずれもが、新たな悲しみが込み上げる時でもあり、悲しみに寄り添う意味においても、大切な法縁の場です。

 還骨勤行で読まれる「白骨の御文章」は、『御文章』の五帖目第十六通に収められています。この「白骨章」は、無常の道理について、最も切実に示されたものであり、一度聴聞すれば深い感銘を受けるものといえます。「人の一生は幻のようであり、はかなく消え落ちる一滴の露のような命である」と示されています。すなわち、朝には、健やかな姿であったとしても、夕方には、そのよそおいを失い、荼毘(火葬)に付されて、夜には、白骨となる身である」と無常の道理を示されています。
 

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